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しげちゃん

2011.02.24.20:33

しげちゃん500

しげちゃんがこの世を去って、もう何か月もたったような気がする。
つい3週間前のこと、突然しげちゃんが畑からもどこにもいなくなった。

わたしたちが1年半前に借りた畑のすぐ横で、毎日毎日畑仕事をしていた。畑に行くと必ずしげちゃんがいて、
「こんにちは!」と元気よく声をかけてくれる。腰はすでに90度以上にまがっていても、鍬やまんのうでいくらでも1反の畑を耕し、さといもを埋め、草をとって、しげちゃんの通るあとには草も生えなかった。
「今日はあったかいね~」「今日は寒いね~」「鳩がああ鳴いてるから午後から雨だぞ」「こんなにあったかくて、シーンとしているから今晩は雪が降る」「さといもが寒い寒いと言っているからもっとわらをかけなきゃだめだ」「1週間に1回は鋏をとがなきゃだめだ」

いったいこの1年間になにをしゃべったんだろう。あまりにもあたりまえにそこにいて、あたりまえにおしゃべりして、これからもずっとそこにいるような気がしていた。振り返るとかけがえのない毎日が今日も過ぎていく。

84歳のしげちゃんに1月30日、納豆作りの講習会の先生をお願いした。その1週間後にしげちゃんは栗畑でチェーンソーでふろ用のまきを作っているときに倒れて、そのまま帰らない人になった。寝込みもせず大往生。畑で息子さんの腕に抱かれて亡くなった。

しげちゃんの暮らしは決して裕福なものでなく、お風呂は五右衛門風呂、買い物もほとんどせず、1反の畑で大豆からなんでもつくって食べた。小豆をたくさんつくって、拾った栗と煮てどんぶりいっぱい食べた。

お金ではなく、そこには本当のぜいたく、豊かな暮らしと本当の暮らしの知恵があった。
そして何よりすべて受け入れるという心があった。八郷の豊かな自然をそのまま体に映したような人だった。

亡くなる1週間前の納豆作りのとき、無事講習会が終わったあと、こたつでみんなでお茶を飲んでおしゃべりした。そのときの満足そうな顔が忘れられない。

「こうしてみんなで集まって知恵をだしあったり、勉強しあえば、人より一歩先に出られる。こういうことはとてもいいことだ。」と言っていた。
八郷で農家から聞き取りの調査をしているという千葉から来た学生さんには
「八郷の研究をしてみんなに発表してくれ」と、それもまたとてもうれしそうだった。
思わず私は「これからがしげちゃんの時代なんですよ!」」と叫んでしまった。

自然から謙虚に受け取れるものだけ受け取り、それ以上は決して望まなかった。
自然相手に生きる知恵の塊のようなしげちゃんがいなくなって、わたしたちはもう少し時間があれば、、と嘆く。けれどももうすでにたくさんのものを受け取っているようだ。

畑で種をまいていると、うしろにしげちゃんの気配を感じる。                       わたしたちはあっちこっちで、つい「こんなふうにしてるとしげちゃんに怒られる」と言っている。

こうしてずっと生きていてくれるんだな。しげちゃんに出会えてわたしたちは本当に幸せでした。

一人の人が尊厳をもって、人として生き切った、その現場に居れたのだから。

しげちゃん、あの100年に一度という暑い夏、一緒に食べたスイカ、おいしかったね。

写真提供 中島信之  「しげちゃんととしさん」  
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プロフィール

縄文ふたば

Author:縄文ふたば
茨城県石岡市(旧八郷町)で百姓暮らしをしています。日々畑と会話し、いろんなことを教えてもらっています。

 1968年に愛知県に生まれる。約10年、障害をもっている人ももっていない人も共に地域で生活し、働くということで活動している市民団体「わっぱの会」(名古屋)で生活支援の仕事をする。2005年スワラジ学園で半年、あとの半年は鹿苑農場で研修生として、1年間百姓暮らしを学ぶ。2006年10月から石岡市(旧八郷町)に住み、百姓暮らしを始める。

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